東京芸術劇場の道化師とカヴァレリア

東京芸術劇場主催のシアターオペラシリーズ

カヴァレリアと道化師

今回縁があって、合唱に参加しています。

コンサート形式+αのイメージでしたが、普通にオペラです

日程や予算?の都合?いや、、そもそもコンサートホールで上演を行うシリーズの16回目という事で、

三回目の時に出演しましたが、以前出演したときは、井上道義先生が指揮をふって、演出をしていたし、公演場所がコンサートホーロなので、緞帳がないという決定的にオペラには不向きな環境と言えますが、こんな方向で、上演を試みたのはすばらしいと思います。

なかなか見た事のないタッチの演出

ほお~~~~~~

演出の予算や日程は、限られているだろう・・

二期会のオペラなんかは、演出費用は何千万円、、いや、それでは足りない?という費用をなるべくかけられるだけかけて、総合芸術としてのオペラ公演を追求しているのだと思いますが、この公演は、そもそもコンサートホールで行われる公演であって、基本的にコンサート形式なのが、芸劇のシアターオペラだと私は思っていました。

本格的なオペラ!!!って思って見に行くと

オペラじゃない、、っと感じる方も多そうですが、

オペラって何?って思って見に行くと

これ以上なく楽しいオペラに感じると思います。


演出家の意図 ホームページより

「イタリアのオペラを、日本で演じ、日本に住む観客が見るのなら、この土地ならではのやり方はないのかな?そう考えたのが実験の始まりでした。 日本でオペラにあたるものといえば文楽かもしれない。今回の二作品は、実際にあったスキャンダラスな殺人事件を元ネタにしているとも言われていて、そんなストーリーの作り方も文楽と同じです。太夫と人形遣いのように、今回のオペラでは、一つの役を、歌手と役者(ダンサー)の二人の共同作業で演じてもらったらどうなるだろう。

こんな時代にこそ、マエストロ、歌手、ダンサー、オーケストラ、コーラス、他にもたくさんの素晴らしいアーティストたち…人々のエネルギーが混じり合い、イタリアと日本が混じり合い、脳味噌フル稼働で観ていただけるオペラができたらと思います。

さあ、生まれるのは、失望か?希望か?」


演出家の思考が柔らかい、というか、

この演出家は、、今後の日本のオペラの中でも活躍されていくのではないでしょうか?

大掛かりなステージや、プロジェクションなんちゃらで”煌びやか”さを目指し、趣向を凝らした動線や、昔ながらの演技と共に行われますが、オペラファンではない日本人が楽しめない公演が多くあります。オペラは、外国語の作品であって、題材が昔の海外の風景というという事に多くの原因があります。

これを当たり前の様に、演出しても、それは本質的に、日本人の観客に必要な、オペラ演出に必要な演出が欠けているからだと、感じる事がありますが、今回の公演では本質的にオペラ演出を追求し、そして、オペラが初めての人でも、楽しめるような演出というか、今日のオペラでは、忘れられてしまった”オペラを演出”でもあると思います

オペラの歴史の延長線上にある演出ではなくて、周り回って観客にとって必要な演出が完全に行われているというか・・

歌手では、テノールのアントネッロが凄いです(笑)

この人を聞くだけでも、価値あり公演

YOUTUBEに沢山動画があるけど、、、

過去動画から持つ印象とは違って、 

すごく上手く、演技を声に乗せて歌ってる

稽古では、もちろん抜いてるんだろうけど

それでも、全力で歌ってるかのような響きを残しつつ

軽やかに、、 道化師の終幕アリアを稽古で何回歌わされても

破綻せず、かといって、声を出さないような抜き方ではなく

いろんな有名テノールがいるけど

圧倒的なカリスマ性がある有名テノール(アラーニャとか、、フローレスとか)とは違う様に思いますが、

イタリア人テノールで聞いた中で、

もっともアカデミックにイタリアオペラのヴェリズモを歌っているというか、ずっと聞いていたいと思わせるテノールです

なるほど~

決して重い声ではないし、軽い声な訳でもないし、

癖のある声ではなく、特徴のある声ってのも違うし、

圧倒される訳でも、大感動が起こる訳でもない気がするけど

言葉の立て方が誰にも似てなくて、抑揚や外し方、Aの明るさやOの暗さ

おお、、うまい、、って思うというか

逆に、オペラそのもののテノール像が表出してくる気がするというか。。。

なるほどな~ 

一緒に アリアを口ずさんでいるだけで、

歌うのが楽になるポイント満載です

まるで、テノールの教科書の様に、だからといって、つまらない歌手な訳ではなく、、

全然すごい、、っていうか(笑)

道化師とカヴァレリアって、立て続けに歌うの大変だろうけど

この人は絶対に崩壊しないだろうし、5日連続公演しても、いけそうです。

この方は、人に教えんのもうまいのではないでしょうか。

指揮者の先生は

イスラエル人の方で、昨年の第九につづいてイスラエル人の指揮者

調子のいいおじさん的な指揮者です(笑)

でも、譜を間違えている所は、しっかりと指摘するしアドバイスもする

つまり、、演奏側は、完全にイタリアや音楽の伝統に基づいた音楽づくりを行っています


その融合(笑)


よいステージになるように思います

あと一週間がんばろう(笑)

東京芸術劇場道化師・カヴァレリア

Follow me!