音楽の基本的な要素として、リズム、メロディ、和音の3つがあります。楽典を学ぶと、これらの要素がどのように音楽を構成しているのかを知ることができます。楽譜通りに演奏することができれば、みんなが同じ演奏をするかというと、実際にはそうではありません。それでも、この3つの要素だけで、音楽の楽しさを感じることはできますよね。
良い演奏を追求するためには、さまざまな要素が関わってきます。例えば、歌うときには無声子音と有声子音の違いに注意を払ったり、音量を調整したり、声色を変化させたり、息継ぎのタイミングを工夫したり、小さな音をよりクリアに出す方法を考えたりといったことが重要です。
「才能がない」「年齢的に難しい」と感じる人も多いですが、歌唱の上手さとは、そんなにフワッとしたものではなく、実はかなり物理的なものです。全員が偉大な歌手のような声の様になるわけではありませんが、合唱では、参加者が音楽に対する意識を高めることで、全体として良い演奏ができます。つまり、才能や年齢に関係なく、意識を変えることで素晴らしい演奏者の一人になれます。
声楽を一人でやるのは確かにハードルが高いですが、合唱を通じてその魅力を感じることができます。合唱の魅力は、音楽そのものだけでなく、人とのつながりに強く感じることもあります。声を出すことそのものが喜びだと感じる人もいるでしょう。
合唱では、異なる価値観や人生を歩んできた人たちが、ひとつの音楽を作り上げていくことが大切です。楽曲に込められた物語を想像し、共感しながらその演奏を再現する、そして、時にはその共感が聴衆にも広がり、他者とのつながりを感じる瞬間が生まれることが、合唱の本当の魅力だと思います。