今年の春も合唱祭に出演します!
演奏曲は 「ハナミズキ」 にしました。
平成の時代で最も歌われた曲の一つだそうです。
この曲の作詞の背景を調べてみると、
2001年にアメリカで起きた 9.11同時多発テロ の際、
現地に住んでいた友人とその恋人の幸せを願い、一青窈さんが作詞したのだとか。
その友人とは、彼女が慶應大学時代に同じアカペラサークルで活動していた仲だったそうです。
実はこの曲、なんとなく耳にしたことはあったけれど、
最近、天然水のCM で流れているのを聞いて妙に気になり始めました。
山の中を走る子供の映像が、我が子の姿と重なって見えたのも影響しているのかもしれません。
ハナミズキとは?
ハナミズキは、1912年に東京都がワシントンD.C.に桜を贈った際、
その返礼としてアメリカから贈られた木。
しかしその後の歴史の中で、贈られた木に由来するハナミズキたちは伐採され、
現在は 都立園芸高校 にわずかに残るのみだそうです。
対照的に、ワシントンD.C.の桜は今も美しく咲き誇り、
全米桜祭り という日米友好の象徴的なイベントになっています。
ハナミズキの花言葉は 「感謝」「幸福」「返礼」「永続性」「思いを受け取って」「華やかな恋」 など。
中でも 「逆境に耐える愛」 という意味があるのは、
「キリストがハナミズキの木で磔にされた」という言い伝えに由来するそうです。
この悲しい出来事に心を痛めたハナミズキは、
「二度と自分が十字架にならないように」と枝を細く折り曲げた、という伝説もあるんだとか。
歌詞に込められた想い
歌詞の中に「水際」「夏」「船」「僕の犠牲」といった表現が登場します。
9.11は飛行機の事件でしたが、一青窈さんが 「水際」 という言葉を選んだのは、
彼女の家族の歴史が影響しているのかもしれません。
調べてみると、一青窈さんの父親は、台湾の名家出身。
しかし戦後の混乱を避けて、日本へ密航した過去があったそうです。
一青窈さん自身は1976年生まれなので、直接その影響を受けてはいませんが、家族の歴史として話を聞いていた事でしょう。
また、彼女は 9歳で母、そして高校生で父を亡くしたそうです。
この曲は、9.11をきっかけに書かれたものですが、
彼女自身が親から託された想いや、平和への願いが、
すべて溢れ出るように込められている気がします。
CMのように「親が子を想う風景」としても聴けるし、
「自分への両親の気持ちを想う」の歌という解釈も成り立つのかもしれません。
だからこそ 2番だけ「僕」 という一人称になっているのかも……?
この春の課題曲、決定!
そんなことを色々と考えているうちに、
今の私がこの曲に惹かれた理由が、少しわかった気がします。
演奏する上ではもっといくつもの想像がありますので、練習中に紹介していきますね
ということで、ここから2ヶ月ちょっと、
私たちのグループにとって 「ハナミズキ」 が課題曲になります!
合唱と歌を、クラシック的な発声の視点で楽しむ フェリーチェ の春の活動が、ここからスタートします。
さあ、どんな演奏の音に出会えるのかを楽しみに、日々の活動を一緒に楽しみましょう✨