ネウマ譜での練習は、楽譜の苦手意識を減らす?

楽譜を読むのが少し苦手でも歌うことが大好きな生徒さんに、ネウマ譜を使ったレッスンもぜひ体験して欲しいと思います。

日本の音楽教育では、ト音記号の「ド」の位置やピアノの鍵盤を覚えることから始めるのが一般的です。この指導法は正確な音の再現を大切にしますが、楽譜にプレッシャーを感じる生徒さんも少なくありません。私のレッスンでは、楽譜への苦手意識を楽しく乗り越えるために、約1100年前から発展したネウマ譜を取り入れる事もあります。

ネウマ譜は、9世紀から発展した、現代のような絶対音高(例えばA=440Hz)の基準がない時代に生まれた楽譜です。音の高さは地域やその場の雰囲気で解釈され、メロディの流れや音の上下をやさしく示す、まるで音楽の「絵」のような存在です。レッスンでは、たとえば簡単なグレゴリオ聖歌のフレーズを歌いながら、「ド」と「ミ」の音程の間隔を耳で感じたり、メロディの動きを心で描いたりします。こうした練習を通じて、楽譜を読むことの楽しさや、音楽の物語を自由に表現する喜びを体感できるんです。

「この音は絶対にソ!」とピッタリ当てなきゃいけない、というプレッシャーが、楽譜の苦手意識につながることもありますよね。そんな苦手意識の背景を探りながら、音の「幅」やメロディの「流れ」を大切にするアプローチで楽譜への不安を和らげます。ネウマ譜を使って中世の聖歌隊になった気分で歌うと、歴史のロマンを感じながら、楽譜が「怖いもの」から「音楽の冒険の地図」に変わっていく事を体験出来るかも知れません。

実際にレッスンを受けた生徒さんからは、「楽譜がこんなに楽しいなんて新鮮!」「歌うのがもっと好きになった!」という嬉しい声をいただいています。この動画では、そんなレッスンの一コマをご紹介します。少ないレッスンで、すでにグレゴリオ聖歌のメロディを生き生きと歌う生徒さんの音声をお聞きいただけます。ネウマ譜の音楽は、初心者でも驚くほど早く楽しめるんです! 古くて新しい音楽の楽しさを一緒に発見しましょう。

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