舞台の中から見えるワーグナー――『さまよえるオランダ人』妄想と現実の交差

こんにちは。
今回は、私自身が一人の合唱団員として参加しているワーグナー《さまよえるオランダ人》公演にまつわる話を、ちょっと妄想を交えてお届けします。


舞台裏で気づいた「ピアノを叩く」違い

リハーサル中に耳にした、指導者のひとこと。
「ピアノを叩いて確認しておいてね~」

アマチュアの合唱指導ではよく聞く言葉ですが、その意味は全然違います。
アマチュアでは「叩く=鍵盤を押して音を確かめること」。
でもプロの現場では、声楽家でも校歌伴奏くらいなら片手でサラッと弾けてしまう人ばかり。

叩いているようで、実は“音楽を操っている”。


動画を撮影しながら、この旋律が、まるでハリポタの魔法みたいだな?とクスクス笑ってしまいました。


リハーサルで広がる妄想――ワーグナーは魔法使い?

稽古が進むにつれて、妄想が止まらなくなります。
ワーグナーの旋律は、まるで呪文のよう。
オランダ人の呪いは神罰ではなく「魔法」なんじゃないか?

そう考えると、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のダッチマン号やデイヴィ・ジョーンズの伝説と重なって見えてくる。
もしかするとワーグナー自身の遭難体験も、「魔法にかけられた感覚」だったのかもしれません。


呪いは誰が誰にかけたのか?

この物語の不思議はいくつかありますが、物語の根源である呪い、

その呪いが誰によってかけられたのか?は、考える余地が有ります

もしかしたら、パイレーツの様に、ゼンタの可能性だってあるし、神とは神?神って?、この作品には直接、神が出てこないので、

様々な妄想の可能性があります。

演出家がそう考えて居るとは言ってないので、

併せてご覧いただき、妄想の種に✨

演出家本人へのインタビュー


舞台の中にいるからこそ感じること

合唱団として舞台に立っていると、客席では味わえないものがたくさんあります。
指揮者の一振りで空気が変わる瞬間、歌声とオーケストラが重なる時の震え。
その中で「これはただの音楽じゃない、魔法だ」と思える瞬間に出会うんです。

そしてふと客席の方を想像すると、「これを外から聴いたらどんなふうに響くんだろう?」と不思議にワクワクしてきます。


9月、東京文化会館での公演

そんな舞台に、あなたも立ち会ってみませんか?
2025年9月、東京文化会館 大ホールで、東京二期会が《さまよえるオランダ人》を上演します。
私も合唱団の一員として、この公演に参加しています。

  • 公演日程
    • 9月11日(木)18:00開演(プレミエ・スペシャル料金)
    • 9月13日(土)・14日(日)・15日(月・祝)各14:00開演
  • 会場:東京文化会館 大ホール(上野駅すぐ)
  • 出演
    • 指揮:上岡敏之
    • 演出:深作健太
    • 管弦楽:読売日本交響楽団
    • 合唱:二期会合唱団(←ここに私もいます!)
    • ゼンタ:中江万柚子(9/11・14)、鈴木麻里子(9/13・15)
    • オランダ人:河野鉄平(9/11・14)、斉木健詞(9/13・15)

舞台の中から感じる「魔法の瞬間」を、客席から体験してみてください。
きっと妄想が現実に追いつく瞬間が訪れるはずです。


おわりに

ピアノの鍵盤ひとつを「叩く」か「弾く」か。
その違いから広がった妄想は、気づけばワーグナーの音楽世界と重なり、舞台の中で現実と混じり合っているように感じます。

9月の東京文化会館での公演は、その“魔法”をあなた自身が体験できる場。
ぜひ、劇場で一緒にこの不思議な大冒険出かけましょう。

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